山・川・海
概要
・花崗岩の隆起によって誕生した屋久島は、持ち上げられた日向層と呼ばれる堆積岩に縁取りされており、北東部から南西部まで海岸段丘をつくっている。
・平野地区も花崗岩の山地と高さ20m程の海岸段丘に挟まれた堆積岩上の傾斜地で、花崗岩の転石が多い。
・堆積岩の層にある石英脈にはタングステン鉱床があり、平野地区でも国内第2といわれたタングステン鉱山があった。
・背後にそびえる花崗岩の前岳はモイヨ岳6 1 4 mを手前に見て、北の春牧の前岳へと連なっている。
・前岳の尾根沿いには屋久杉やツガ、絶滅危惧種ヤクタネゴヨウの原生林が見られる。
・川は殆どが前岳の小河川で、伏流となり、湧水が生活用水に利用されていた例も多い。
・花揚川公園脇を流れる花揚川が唯一少し奥から流れてくる川で水量も多く、かつては仁田鉱山の発電にも利用され、現在は町水道の水源になっている。
・山すそには亜熱帯性の照葉樹林もよく残されており、猿川のガジュマルは知られている。
・海岸はすべて段丘崖になっており、琴川はオテミズの滝となって落下している。
・段丘の堆積岩が波浪に浸食され、険しい断崖や奇岩、海蝕洞窟が特徴ある海岸景観をつくっている。
・海岸は太平洋の怒涛が打寄せる岩場で、わずかに無動力船の時代に船揚げ場に利用された小さい砂利の浜がある程度である。
【文献・資料】
屋久町郷土誌第二巻村落誌中
区長他聞き取り