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烏帽子岳参り・大祭七五岳登山

概要

岳参り (資料2)

・屋久島の岳参りは、山の恵みに感謝する行事として古くからおこなわれてきた。
・岳参りは高山を神聖化する信仰登山で、日本中でみられる山岳信仰の形だが、本格的な行事は屋久島が最南といわれる。
・各集落が奥岳や各地域に縁のある前岳に登り、そこに祀られる屋久 島の山の神、一品法寿大権現(神道名:彦火火出見尊ト―益救神社など の祭神)にお参りする。
・一時過疎や若者減少などで少なくなったが、伝統文化の見直しなどで復活傾向にある。

湯泊の烏帽子岳岳参り (資料123)

・昔は1泊2日で宮之浦岳、永田岳、栗生岳、花之江河、ビャクダン峯、烏帽子岳、七五岳を廻った。
・トコロカン2人は登山前日に湯泊神社(大山祇神社)に参拝して海水で身を浄め、区長宅で接待(前夜祭?)を受けて神社に宿泊した。
・当日は夜明け前に出発し、汐と村人から預かったお賽銭、米5合などを供え物として山上7カ所の祠にお参りした。
・下山時は春田牧で先ず神落としをして「坂迎え」を受け、神社に参詣して山上の植物などを皆に渡した。
・各家庭ではシャクナゲは神棚に、ビャクダン(ビャクシン)とシキミは仏壇に供えた。
・近年は烏帽子岳に日帰り登山をしている。
・湯泊では岳参りとは別に、湯泊神社大祭の日に七五岳に参詣登山をしている。

*以下、平成29年8月3,4日記録

・トコロカン2名は前日3日の夜、前夜祭として生活館で集落三役の接待を受けた
・本来5:00湯泊出発だが、台風21号の影響により、9:00出発に変更された。
・湯泊林道崩壊のため南部林道から旧登山道を2時間歩き、現登山道入口の標識に達した。
・台風予報により11:30登山道入り口近く標高890m付近で登山を断念し、森の中に供え物をして山に祈って下山した。
・下山地点の春田牧で、しつらえた神棚に山上の神を落とす参拝をして、短冊に切った沢庵と刺身の「坂迎え」の接待を受けた。
・15:00湯泊神社で大山祇神にお参りして、一同のねぎらいを受けた。

湯泊神社大祭の七五岳参詣登山

*平成29年11月23日記録
・烏帽子岳岳参り同様に前夜祭があり、当日5:00に湯泊を出発した。
・林道崩壊のため旧登山度を経由して7:00に現登山道入り口、9:30 には七五岳に登頂し、山頂の岩頭に米、塩、お神酒を供えて参拝した。
・13:00には下山して、烏帽子岳岳参りと同様の「坂迎え」を受けた。
・続いてトコロカン2人は湯泊神社に参拝して、区長以下の接待を受けた。
・続いて笠踊りなどが奉納された。

【資料】
1 屋久町郷土誌第一巻集落誌上
2 屋久島、もっと知りたい~人と暮らし編~ 下野俊見 3 区長他聞き取り

写真

集落から望む烏帽子岳

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集落から望める烏帽子岳は湯泊のシンボル。

恵比寿様と烏帽子岳

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岳参りは海と山に感謝する行事といわれるが、湯泊では恵比須様から烏帽子岳が見える。

生活館の前夜祭

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生活館で集落役員がトコロカン2人を接待する前日の前夜祭。

トコロカン2名

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トコロカン2名がお神酒をいただいた。

前夜祭乾杯

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前夜祭で一同乾杯。

台風崩壊地

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湯泊林道崩壊のため、旧登山道を2時間かけて歩いた。

引き返し点でお参り

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台風予報により現登山道入り口付近で、お参りして引返した。

烏帽子岳山頂2015

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烏帽子岳山頂2015

烏帽子岳山頂祠2015

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烏帽子岳山頂祠2015

坂迎えのトコロカン

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春田牧に下山したトコロカンは、しつらえた神に参拝し て神(山で憑いたもの)落としをして、「坂迎え」を受けた。

坂迎え一同

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区長以下「坂迎え」の一同も参拝。

坂迎えは接待

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ここで準備された「坂迎え」の接待を受ける。

坂迎えは沢庵刺身

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「坂迎え」では、短冊に切った沢庵と刺身をいただく のが伝統になっている。

湯泊神社参拝

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トコロカン2人と「坂迎え」の一同は、湯泊神社参拝するが、これで里と山をとりもつ行事は全うされたことになる。

区長接待挨拶

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区長から挨拶があり、トコロカンをねぎらう接待となる。

慰労される2人

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岳参りをしてきた使者であるトコロカンは大いに慰労される。

トコロカンお膳

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トコロカン2人のお膳は、迎える人たちと違ったごちそうである。

直会一同

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一座は、山参りの直会としてにぎわう。

七五岳参り出発

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いわゆる岳参りとは別に、湯泊神社の大祭の一環として七五岳参り行う。烏帽子岳参りと同様に前夜祭して、11月23日の 大祭当日5:00出発で山に向かった。

登山口発

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7:00現登山口から入山した。

沢を登る

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支所は沢を登り、尾根に達して七五岳山頂に到着。

七五岳高山景観

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七五岳付近はすっかり高山景観である。

山頂岩場参拝

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花崗岩の七五山頂岩場に持参の米、塩、お神酒を供えて参拝。

山頂岩場お供え

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山頂岩場のお供え。

山頂のトコロカン

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七五山頂から海岸と里、奥の連山を一望した。

坂迎えを受ける

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13:00頃下山し、烏帽子岳参りと同様に坂迎えを受ける。

山みやげ植物

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山からの土産は、神棚や仏壇に供える植物である。

続いて大祭開始

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この後、一同は神社大祭の神事に列席した。

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