水神様と用水路
概要
・小島地区は、屋久島では珍しい稲作を基礎としてきた農業集落である。
・水神様は農業用水に祀られた神様で、鈴川沿いの水路と導水トンネルの上に祠がある。
・水神様の祭りは旧暦の正月16日、5月16日、9月16日の年3回行われており、現在は、集落会計役が水路の見回りを兼ねて2か所 の水神様にお参りしている。
・小島稲作の基礎は1906(明治38)年に完成した十数haの開田事業である。
・開田の決め手になったのが100mのトンネルを含む1000m余の鈴川から取水した用水路で、機械力のない時代としてはかなりの難 工事と思われるが、2年弱で完成している。
・鈴川からの取水については、尾之間地区と競合したエピソードが伝えられている。
・鈴川の標高130m付近の険しい渓谷にある取水口の転石や水路の土石を取り除くために、大雨の後など必要に応じて管理作業にあた り、100年以上維持されている。
・この用水は生活用水や精糖事業の水源としても利用され、地域生活を支えてきた。
・また、現在の町営水道事業や灌漑事業の水源としても生かされている。
・水路開削をリードし、事業を推進した岩川若松翁の功績をたたえて、昭和23年に頌徳碑が矢石に建立された。
・その後、碑は小島神社境内に移設されている。
・水路開削や開田に感謝する行事は、田の神様の祭り稲供養として受継がれている。
【資料】
1 屋久町郷誌第一巻村落誌上
2 区長他住民聞取り
写真
鈴川取水口維持管理![]() 増水、土石流の多い鈴川では、維持管理作業が欠かせない。 |
鈴川取水口付近![]() 鈴川取水口付近は険しい渓谷である。 |
鈴川沿い水路![]() 鈴川沿い水路 |
水路沿いの水神様![]() 水路沿いの森にある水神様。 |
水路水神様お参り![]() 水路の水神様に集落会計が年3回お参りする。 |
隧道上水神様![]() 隧道上の森にある水神様にもお参りする。 |
水路隧道上流口![]() 水路隧道上流側では、古い素掘りが見える。 |
水路隧道下流口![]() 農道脇にある水路隧道下流側の出口は、時代に即して改修されている。 |
隧道下町水タンク![]() 水路隧道下流側には、町水道のタンクがある。 |
取水口付近近清掃作業![]() 取水口付近の清掃管理作業の様子。 |
水路清掃1![]() 水路の清掃管理作業は、必要に応じて年に数回行われる。1 |
水路清掃2![]() 水路の清掃管理作業は、必要に応じて年に数回行われる。2 |
水路清掃3![]() 水路の清掃管理作業は、必要に応じて年に数回行われる。3 |
水路清掃の皆さん![]() 水路の清掃管理作業は受益者が力を合わせて行っている。 |
用水の恵み実り![]() 小島の水田では、用水の恵みを得て実りを迎える。1 |
用水の恵み稲刈り![]() 小島の水田では、用水の恵みを得て実りを迎える。2 |
用水事業頌徳碑1![]() 小島神社にある用水、開田事業功労者岩川若松翁の頌徳碑。1 |
用水事業頌徳碑2![]() 小島神社にある用水、開田事業功労者岩川若松翁の頌徳碑。2 |