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自然 山・川・海

概要

・花崗岩の隆起によって誕生した屋久島は、持ち上げられた日向層と呼ばれる堆積岩に縁取りされており、北東部から南西部まで海岸段丘をつくっている。
・島の南東部にある高平地区も花崗岩の山地と海岸段丘に挟まれた傾斜地にある。
・高平の背後にある高平岳493mは最も海に近い前岳である。
・高平岳はレッドデータブックの絶滅危惧種ヤクタネゴヨウの貴重な生育地である。
・雪岳1,256mの北側を源流とする小田汲川は高平岳の北東面を削り、山間部の出口では滝となって高平地区に落ちてくる。
・小田汲川は、地区内では照葉樹林に険しい渓谷をつくって海岸に達している。
・屋久島では渓谷の水の流れが急であるため、葉が小型化したサツキが見られるが、小田汲川では筒形である花が花びら状に分かれた姿に進化しており、オタクミツツジの固有品種名がある。
・川沿いに屋久島固有のヤクシマヤマツツジも見られる。
・高さ30m余りの日向層の段丘崖の下が海岸線だが、鋭角的に浸食された黒い堆積岩と山地から崩落してきた丸くて白い花崗岩の転石が特徴ある景観をつくっている。
・海岸や浅い海底から屋久島の隆起運動が熱源とされる温泉の湧出が あり、ごく低温ながら五右衛門風呂釡で加熱して入浴したという話もある。

【資料】
1 屋久島の地質ガイド 屋久島環境文化財団
2 林野庁ヤクタネゴヨウ資料
3 屋久島の植物 川原勝征
4 屋久町郷土誌第1巻村落誌上
5 区長他聞き取り

写真

公民館の後が高平岳

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高平公民館の後にそびえる高平岳

左高平岳

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左の高平岳が高平の前岳である。

高平岳山頂

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花崗岩の山、高平岳493m山頂。

高平岳山頂祠

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高平岳山頂に一品宝寿権現(祠の表記は「一品法壽権現」)の祠がある。

岳ヤクタネゴヨウ

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尾根の高木と白く枯立っているのは絶滅危惧種ヤクタネゴヨウである。

小田汲川滝

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小田汲川は滝となって高平に落ちてくる。

小田汲川渓流

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小田汲川は険しい渓流となって高平を横切り、海に向かう。

小田汲川水源

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町営水道は小田汲川から取水している。

川オタクミツツジ

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急流に適応して特異な進化をしたオタクミツツジは小田汲川の固有種である。

川ヤクシマヤマツツジ

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小田汲川沿いには屋久島に固有なヤクシマヤマツツジも見られる。

小田汲河口

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小田汲河口には急流が運び出した花崗岩の巨大な転石が見られる。

高平海岸全景

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堆積岩の海岸段丘が続く高平海岸の景観。

段丘と海岸

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日向層(堆積岩)の崖と海岸、丸い花崗岩の転石が海辺の特徴をなしている。

亀石

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亀のような形に風化した花崗岩が不思議な海岸風景をつくっている。