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鬼火焚き

概要

・毎年1月7日、門周りと同じ日に公民館上の広場で行われる。
・バチバチノキ(正式名はケウバメガシ)、モウソウチク、マダケ、 カズラ(カンネカズラ、正式名はクズカズラ)が材料として用いられ る。
・煙を浴びる事で1年健康になると言われる。バチバチノキや竹を用 いるのは、燃える際に弾けるような大きな音が出るため、厄除けになると言われている。
・鬼の絵は青鬼と赤鬼を1対描くのが習わしとなっている。
・集落の老若男女が集まる。同じ日に校区行事である七草が行われるため、七草を終えた子供たちが晴れ着のまま参加する。

<鬼火焚き>

(平成30年1月7日)
・朝8時30分、公民館上の広場にカヤや竹が集められる。
・ブルドーザーで中心付近に直径3メートル、深さ30センチの大きな穴を掘り、中心部は竹を立てる為の穴をスコップで80センチ程度 掘る。
・中心となる竹には立てる前に支える為のワイヤー支線3本と、鬼の絵を吊る為の縄を掛けた滑車を付ける。竹を立てた後は竹の周りに杭を打って支えとし、まっすぐになるようにバランスを見ながらワイヤ ー支線を張る。竹がまっすぐ立ったらマタケとバチバチノキをカズラで撒いていく。直径2メートルほどになったら完成。根元へ薪をくべていく。
・傍らでは、マタケと孟宗竹を切ってテグスを使い弓と矢を作っていく。すべての作業が終わったのは12時頃だった。
・船行神社の拝殿内では畳表に布を貼り、そこへ鬼の絵を描く作業が行われていた。
・午後3時までに各戸から門松やしめ縄が持ち込まれる。昨年のマキを持ち込む家もあった。
・火入れ前に鬼の的が吊り上げられ、灯油が1缶(18リットル)分、 竹に注がれた。午後3時になり、年男にが火付けを行う。火がつけられ勢いよく燃え出すと子供たちが弓矢を鬼の的めがけて射る。途中、 灯油を更にかけ足す(鬼火焚き全体で計2缶分使われた)。20分程経ち、ある程度燃えてくると的を降ろして燃やし、燃え尽きると中心の竹を倒す。
・燃えた中から焼けた薪を取り出し、火傷しないようにカズラを巻い て各戸へ持ち帰り、1年間玄関に立てかけておく。公民館、神社、寺へも持ち帰る。

【参考文献】
屋久町郷土誌 第三巻集落誌 下

写真

鬼火焚き

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公民館上の広場で行われる鬼火焚きに

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バチバチノキが集められる。

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ブルドーザーで広場に穴が掘られる。

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力を合わせて中心となる孟宗竹を立てる。

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マタケとバチバチノキを孟宗竹にカズラで巻き付けていく。

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弓矢作り。弦はテグスだが、矢や弓は竹で作る。

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登山口への道路。一般登山道ではないため、草で覆われている。

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船行神社拝殿内で、弓の的となる鬼の絵が描かれる。

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年男による火付け。

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主に子供たちが弓で鬼の的めがけて射る。

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弓を射る真剣な眼差しの子供。

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しっかりと鬼の的に矢が刺さっていく。

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鬼の的を降ろして燃やす。

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ある程度燃えたところで中心の竹を倒す。

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トビ口でマキを取る。

鬼火焚き

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薪はカズラを巻いて各家に持ち帰る。

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