m_h002002001.jpg

岳参り

概要

【概要】
・集落の豊作と安全を祈願して、集落の代表者が山頂の祠(石塔) へ参拝に登る山岳信仰行事である。
・ムカエ岳(小瀬田前岳・向嶽)は標高628メートルの前岳である。小瀬田集落から山頂を望むことが出来る。祠は山頂から少し手 前にある。
・昔は8月15日に愛子岳へ、旧暦9月17日にムカエ岳へそれぞれ岳参りを行っていたが、参加者の高齢化や減少等の理由から現在ではムカエ岳のみ行っている。
・長峰区もムカエ岳に岳参りを4月に行っているが、登山口は別である(途中で合流する)。
・登山口は町営牧場(長峰牧場)にある。町営牧場が作られる前 (1970年完成)は女川上の長峰側の道横の大字黒岩野にある大岩にて参拝し、そこから登った。現在は県道横の愛子岳権現社(詣所)に参拝してから登る。
・山頂の石塔(年代不明)には「广王大権現」「奉寄進」と刻まれている。お賽銭には寛永通宝もあった事から、古くから行われてい るようである。

<岳参り>
(平成30年11月4日実施)
・9:00 小瀬田公民館に集合。大人から小学生まで15名の男女が集まった。
・小瀬田神社下の浜へ移動し、小石とツワの葉を拾う。
・愛子岳権現社へツワの葉の上に小石を供え、参拝を行った後、登山口へ移動する。
・9:35 登山を開始する。登山口の標高は約180メートル。 牧場添いを進みながら徐々に高度を上げていった。台風の影響もあり、枝を切り払いながらの登山となった。
・15分ほど登った所で長峰区からの登山道との分岐点がある。
・2箇所ほど見晴らしの良い場所もあり、休憩をはさみながら登る。ほぼ登りの為、距離は短いがハードな行程である。
・12:00 祠に到着。酒、米、塩を石塔に撒き、ツワの葉の上に小石を供えてお賽銭をあげ、お参りをする。祠からは宮之浦港や 空港が一望出来る。
・13:00 下山を開始し、14:30に登山口へ帰ってきた 後、公民館で一旦解散する。
・17:00、公民館に集まりマチムケの直会が行われた。

【参考文献】
1上屋久町郷土史/上屋久町
2小瀬田の伝統行事伝説方言録/小瀬田愛郷会
3区長他、住民の聞き取り

写真

祠でのお参り

m_h002002001.jpg

小瀬田集落を見下ろす祠にてお参りを行う。

小石を拾う

m_h002002002.jpg

権現社に供える丸い小石を拾う。

ツワの葉

m_h002002003.jpg

小石とともにツワの葉も拾う。

ツワと小石

m_h002002004.jpg

小石とツワの葉を袋に入れる。

参拝a

m_h002002005.jpg

愛子岳権現社(詣所)に参拝してから登る。

参拝b

m_h002002006.jpg

愛子岳権現社にツワの葉と小石を供える。

ムカエ岳を望む

m_h002002007.jpg

車で登山口まで向かう。左奥にムカエ岳が見える。

登山道

m_h002002008.jpg

登山道を小枝を切り開きながら進む。

分岐点

m_h002002009.jpg

長峰側からの登山道との合流地点。

岳参り参加者

m_h002002010.jpg

急勾配を登る岳参り参加者。

祠のようす

m_h002002011.jpg

山頂付近の祠。

お供え

m_h002002012.jpg

祠に酒、米、塩を撒き、ツワの葉に小石を置いて供える。

お供え後の祠

m_h002002013.jpg

お供え物が供えられた祠。

お神酒を頂く

m_h002002014.jpg

お神酒を頂く。

全員で参拝

m_h002002015.jpg

全員でお参りをする。

集落を望む

m_h002002016.jpg

祠から小瀬田集落を望む。

マチムケ

m_h002002017.jpg

岳参り後のマチムケ。