船行鉱山跡地
概要
・松峯の磯部海岸付近には特徴的なため池が見られ、数年前までは甲羅干しをするスッポンの姿も見られた。船行川には脱走個体らしきものも 見られると聞く。(繁殖の有無は未確認)
・すでに終わってしまってはいるが、屋久島で過去に唯一の事例とな る、類を見ない事業であり、その痕跡は今後も長く残るであろうことか ら記録を残しておくべきだと思われる。
【場所】
松峯 磯部海岸地区 30.3289806, 130.6616917付近
【事業の経緯】 昭和63年8月、「自給自足」を目指して屋久島に引っ越してきて、現金収入の為始める。
・特に他のすっぽん養殖業者に見学しに行ったりしたわけでは無く、「スッポンの飼い方」という一般書籍を基に事業を開始。大分の養殖業 者組合より日本由来のすっぽん(ニホンスッポン)を2000匹購入、その後はその子孫だけで事業を継続した。
・平成二年ぐらいから本格的に出荷を開始し、年間でコンスタントには 500匹程、多い頃は7-800匹の取り扱いがあった。
・一匹一匹網に入れて箱に詰め、鹿児島の競り市場への出荷。高値がついて2000円程度、安いと本当に安い値だった。
・平成27-28年頃に体調不良・病気で断念するまで事業は継続された。
・令和二年の取材時現在、養殖池に一匹は生存しているようだが他にはいないと思われる。
・家の隣にコンクリートの養殖池、道向こうの海側に(パワーショベル掘ったら池になったという)大きな泥池が二つ、北側の作業小屋隣にもコンクリートの池がある。
・特に二つの泥池に鹿が草を食べに来た時、脱走防止の網をよく破った らしく、逃げ出した亀は一定数いたと思われるが詳細は分からない。
・スッポンの産卵にはある程度開けて深い砂場が必要で、草地ばかりだ と掘ることが出来ず、草地の上に卵を産んでしまい当然孵化しない。スッポンがこの地で繁殖できるかは不明だが、この付近で今後スッポンが 目撃される事があれば、この養殖所由来である可能性が高い。
・スッポン養殖という事業の可能性に関しては「料理として出すまで上手くやるならともかく、あれだけやってダメ だったのだから駄目でしょう」とのことであった。
【インタビュー対象】
佐野大三郎氏