岳参り
概要
・集落の豊作と安全を祈願して、集落の代表者が山頂の祠(石塔) へ参拝に登る山岳信仰行事である。
・ムカエ岳(向嶽)は標高628メートルの長峰区と小瀬田区の前岳である。長峰と小瀬田集落から山頂を望むことが出来る。祠は山頂から少し手前にある。
・長峰区では5月に岳参りを行っている。小瀬田区もムカエ岳に岳参りを行っているが、日程は旧暦9月17日である。また、小瀬田 区の登山口は町営牧場の先にある(登山道途中で合流する)。
・山頂の石塔(年代不明)には「广王大権現」「奉寄進(きしんたてまつる)」と刻まれている。一つは判読不明で「〇〇寿」と読め る。お賽銭には寛永通宝もあった事から、古くから行われているようである。
<岳参り>(平成29年5月21日実施 ※令和元年は大雨のた め、令和2年は新型コロナの為、中止)
・朝8時、長峰神社に集合。区長はじめ区の役員や青年団など9名が集まった。
・長峰神社にて参拝を行う。
・車で移動したのち空港下の浜へ降り、祠に供えるための海水で清められた丸い小石を拾う。その後、登山口へ車で移動する。
・8時30分、登山を開始する。二次林の中を進みながら急勾配の道を上りどんどん高度を上げていった。
・20分ほど登った所で小瀬田区からの登山道との分岐点があった。
・2箇所ほど見晴らしの良い場所もあり、休憩をはさみながら登る。ほぼ登りの為、距離は短いがハードな行程である。
・10時30分、祠に到着。持参した酒、米、塩、サカキ、浜で拾った小石を供えてお賽銭をあげ、お参りをする。祠からは宮之浦港 や空港が一望出来る。
・10時50分、下山を開始し、12時10分に登山口についた。
・長峰公民館へ移動し、待ち迎い(岳参り登山者をもてなす行事) の直会が行われた。
【参考文献】
1上屋久町長峰区郷土史 あしあと/上屋久町長峰区
2区長他、住民の聞き取り